ジョンソンコントロールズ日立

倉庫から工場現場まで:ジョンソンコントロールズ日立がMiR200ロボットで大幅な効率向上を実現

この暖房、換気、空調製品の多国籍メーカーは、MiR200をそのバルセロナ工場に導入し、部品や材料を最新の生産ラインに配送して、廃棄梱包材をピックアップしています。

問題

スペイン・バルセロナ近郊の町、ヴァカリススにある同社の製造工場は、1993年以来、産業用・商業用の空調ユニットや家庭用の空気熱製品を製造しています。同工場では、12の組立ラインと様々な生産ラインを運用して半完成品を製造しています。平均400名の従業員を有し、年間51,000台を生産しており、その推定年間売上高は1億1,600万ユーロに達します。

同工場の商業および生産計画部門のアシスタントマネージャーを務める、Valle Jiménez氏は次のように述べています。「当社の目標は、国際的に認められ、受賞歴を持つジョンソンコントロールズ製造システム(JCMS)の基準に基づいた運営を行い、生産プロセスでリーン生産のコンセプトを適用することで、最高の品質と柔軟性をもって顧客の要件を常に満たすことです」

モバイルロボットの技術を用いてリーンプロセスを実現

この戦略に基づき、ヴァカリスス工場のチームは、自動化やロボット技術の活用などを通じて、プロセスを改善し、効率を高める機会を常に模索しています。特にある分野では、資材倉庫から工場の最新の生産ラインの1つへの材料搬送を自動化するアプリケーションの開発に成功しています。

このため、同社は、屋内搬送アプリケーションの中核要素として、MiR200™を選択しました。MiR200™は、自社のニーズに十分な積載量を備え、現地の販売代理店兼システムインテグレーターであるVicosystemsのサポートを得て、この目的のために特別に開発されました。このアプリケーションは、モバイルロボットと移動式の棚ユニットを組み合わせ、倉庫から生産ラインまで材料と構成部品を自動的に搬送し、からくりシステムを用いてそれらを降ろして、同じ方法で廃棄梱包材をピックアップし、倉庫へ戻ります。

工数の大幅な節約

MiRロボットは毎日8時間のシフトでフル稼働しており、このシステムのメリットは、稼働開始直後からすぐに明らかになりました。工場の生産開発部門でセクションマネージャーを務める、Raúl Galan氏は次のように述べています。「ロボットは昨年、750kmを移動し、現在は1つのシフトあたり最大12kmを移動しています。これはカートを使用して作業員が同じタスクを実行する場合と比較して、1日あたり3時間を節約していることに相当します。また、これにより、生産ラインにおける材料の在庫を一定のレベルに保つことができ、生産エリアの通路でフォークリフトを上下させる必要がなくなります。このため、ラインの生産性が最適化されるだけでなく、工場現場が誰にとってもより安全な場所になります」

ロボットは昨年、750kmを移動し、現在は1つのシフトあたり最大12kmを移動しています。これはカートを使用して作業員が同じタスクを実行する場合と比較して、1日あたり3時間を節約していることに相当します

Raúl Galan

工場生産開発部門セクションマネージャー

柔軟で使いやすく、協調的

MiRロボットは倉庫のオペレーターと連携してラインの作業員に部品や材料をタイムリーに配送でき、直感的で使いやすいインターフェースとマッピング技術を組み合わせて迅速かつ簡単にプログラミングできることが、MiR200を選択する決め手となりました。Raúl Galan氏は次のように付け加えています。「当社は工場のプロセスとレイアウトを素早く変更できる柔軟なソリューションを求めていましたが、磁気ラインと共にAGVを使用する場合のように、設置環境を変更する必要がないものを探していました。MiRが使用するマッピング技術により、変更があった場合でも特に適応性が高く、簡単にプログラミングし直すことができます」

生産開発部門の技術者であるOriol Morgado氏は、次のように述べています。「工場の作業員は、AGVなどの他の種類の車両が工場現場で稼働しているのを見慣れていましたが、最初の数日間は興味深くMiRロボットを見守っていました。しかし、彼らはすぐにMiRロボットが職場の生産性と安全性を向上させる、貴重なツールであることに気づきました。ロボットのプログラミングはそれほど難しくなく、プログラミング言語をまったく知らないか、ほとんど知らないオペレーターであっても、必要に応じて構成を作成・変更できます。

Morgado氏はまた、次のように付け加えています。「モバイルインダストリアルロボットとその販売代理店であるVicosystemsとの協力と対話は、設置段階だけでなく、開始時に発生したいくつかの小さな問題の解決や、スピンドルとPLCを備えたサーボモーターを使用してロボットを棚ユニットに固定するためのシステムの導入などでも、非常に良好でした」

1年以内にMiRロボットを追加導入

2年未満に投資を回収できると見込まれており、これまでの体験が非常に良好であることから、ジョンソンコントロールズ日立はすでにフリートにMiRロボットを追加することを検討しています。Raúl Galan氏は次のように述べています。「当社は工場でモバイルロボットを導入できるプロジェクトをいくつか特定しました。原材料を生産ラインに配送し、完成品を倉庫に搬送するタスクを優先しています。来年度中には、それらのタスクのために2台のMiRを追加で導入したいと考えています。また、生産ラインにおける特定地点への最終配送前のピックアッププロセス用の、「フォローミー」タイプのソリューションのコンセプトも研究しています。続く第二段階では、モバイルロボットを協調型ロボットアームおよび人工ビジョン技術と併用し、搬送と組み立ての両方のタスクを組み合わせてプロセスを自動化させることを目指します」