Schneider Electric Poland

MiR500ロボットがSchneider Electricで搬送コストを削減

ポーランドのブコブノに位置するSchneider Electric Industriesのポーランド工場は、低電圧機器スイッチのほか、それら製品の断路器および付属品を製造しています。同社は、生産ラインと倉庫の間で完成品を搬送する自律型移動ロボット、MiR500を導入し、屋内物流の最適化、搬送コストの削減、安全性の向上を促進しています。

問題とソリューション

経営陣が直面した課題は、屋内搬送のコストを削減することでした。ブコブノ工場は、300名以上の従業員、および5,300平方メートルの面積を有しています。完成品を生産ラインから倉庫まで搬送するプロセスは、比較的能力の低い旧式のAGVカートを使用して行われていました。新しいソリューションは、物流プロセスの改善、トラックの積載オプションの最適化、使用パレット数の削減、安全性の向上を目指すものでした。

市場で入手可能な製品を検討した結果、Schneider ElectricはMiRの自律型移動ロボットを選択しました。同社は、その柔軟性、作業の安全性、持ち上げ能力、使いやすさを理由とし、MiRを選択することを決定しました。MiR500は、最大積載量500kg、最高速度7.2km/時で、パレットや重量物の搬送を自動化するように設計されたモバイルロボットです。モバイルインダストリアルロボットのパートナー企業として、ポーランドのクラクフを拠点とし、産業自動化とロボットシステムを専門とする、Astorがこのロボットを提供しました。Schneider Electricは2020年1月から自律型移動ロボットを使用しています。

2つの層とROI

Schneider Electric Industries Bukownoは、MiR500への投資を短期間で回収できると見積もっています。同工場は、屋内物流および搬送のコストと使用パレット数を削減することができ、ROI(投資対効果)はこれに基づいて計算されました。

Schneider Electricの技術部門マネージャーであるAgnieszka Należnik-Jurek氏は、次のように述べています。「1つのパレットに2層の製品を積んで搬送できるモバイルロボットを導入したことで、トラックにより多くの物品を積載できるようになりました。これにより、搬送コストを削減できます。また、使用パレット数が減り、これによってもコストが削減されています」

MiRロボットは、Schneider Electricのブルガリア、イタリア、フランスの工場でも使用されています。

任務:搬送効率の向上

オペレーターまたは倉庫従業員は、ロボットの任務を入力して承認します。Schneider Electricシステムで入力された各任務は、生産ラインから倉庫までの製品の搬送を示します。任務を受け取ったロボットは、倉庫から空のパレットを取り出し、生産現場まで運びます。続いて、MiR500は空のパレットを空のパレットラックに置き、完成品を満載したパレットを受け取って、倉庫に戻ります。倉庫に戻った後、その時点で完了すべき任務がない場合、ロボットは自律的に移動して充電します。

Schneider Electricの生産プロセス自動化エンジニアであるMarcin Hat氏は、次のように述べています。「以前のAGVラインフォロワーではラインを変更できず、その都度、運用全体を再構成する必要がありました。MiRロボットの柔軟性のおかげで、外部のサポートが必要なく、レイアウトを素早く、追加コストなしで再編成できます」

MiR500は3シフト制で24時間稼働します。ロボットは8種類のループを移動し、各ループの平均距離は140mです。1シフトにおいてロボットは平均5.5~6kmを移動します。レイアウトの小さな変更など、ロボットの任務に変更が必要な場合、それらの変更はすべて従業員が行います。

ロボットの作業の最適化

MiR500には、持ち上げ用のMiR Pallet Liftモジュールが搭載されており、MiR Pallet Rackからパレット全体を持ち上げるのが容易になります。設置されたI/OセンサーがWi-Fiネットワークに接続されており、継続的にロボットの位置を送信します。このため、搬送されるパレットの経路を常にモニタリングできます。ブコブノで使用されるSE Andon制御システムでは、ロボットのすべての注文と任務に関する情報を確認でき、これによりSchneider Electricは作業を最適化できます。このツールは、充電時間、移動距離、様々な時間帯での充電率など、すべてのデバイスパラメーターを常にモニタリングします。

MiRロボットの導入は、当社のエンジニアたちに好評でした。MiR500は現在、最大400kgの物品をパレットに乗せて搬送し、3つのシフトで1日24時間稼働しています。倉庫作業員は特にそのメリットを実感しており、彼らはMiRロボットは非常にシンプルで、使いやすいウェブインターフェースを備えていると感じています。倉庫作業員はまた、AGVが使用していた台車を取り除いた後に、空間が確保できたことにも感謝しています。

Marcin Hat

Schneider Electric、生産プロセス自動化エンジニア

安全性の向上

モバイルロボットの周囲を常にモニタリングする360度のレーザーが、安全性を保証します。それまで使用されていたAGVのカートでは、経路上の人の存在を見逃してしまう可能性がありましたが、MiRロボットは変化の激しい環境でも安全に動作し、人や機械を検出して、停止したり、従業員や障害物を回避したりします。3Dカメラとレーザースキャナーは、MiRロボットの標準装備です。

音と光による信号も、安全性を高めます。人のいる室内に入る前、MiR500は音でその存在を通知します。プログラムされた時間待機した後、ロボットは室内に入ります。MiR500には、Schneider Electricの移動機械に必須の青色ライトである、ブルースポットも搭載されています。

Schneider Electricについて

Schneider Electricは、エネルギー管理および自動化におけるデジタル変革を主導しています。同社はデジタルソリューションを提供しており、世界最高のエネルギー技術、リアルタイムの自動化、ソフトウェアおよびサービスを住宅、ビル、データセンター、インフラ、産業向けの統合されたソリューションに組み合わせています。同社は、エネルギーとプロセスを安全性、信頼性、効率性、持続可能性をもって管理するための、インテリジェントで統合されたソリューションと技術を開発しています。ポーランドには、ブコブノ、ミコウフ、シュチェチネク、シフィェボジツェ、ティヒの5か所の生産工場があります。ポーランドのブコブノに位置するSchneider Electric Industriesのポーランド工場は、低電圧機器スイッチのほか、それら製品の断路器および付属品を製造しています。